2025年11月4日(火)
税金還流疑惑の維新・藤田氏
赤旗記者の名刺 ネット公表
与党幹部による言論への圧力
嫌がらせ電話・業務妨害メールも
「しんぶん赤旗」日曜版(11月2日号)の報道を受け、日本維新の会の藤田文武共同代表が10月30日未明、インターネット上に、取材を担当した日曜版記者の名刺画像を公表したことについて「与党幹部による記者への圧力」「言論弾圧」などの批判の声が上がっています。
「赤旗」日曜版は、藤田氏側が、自身の公設第1秘書の会社に政党助成金など約2千万円の公金を支出し、その会社が公設秘書に年720万円の報酬を出していた、という税金還流疑惑をスクープ。藤田氏は2日、自身のユーチューブで、「適法だ」としながらも、「そもそも秘書が代表を務める会社に発注している構図自体が、誤解や疑念を招くという指摘も多かった。真摯(しんし)に受け止めたい。今後は秘書が代表を務める会社への発注は一切行わない」とのべました。
日曜版電子版が10月29日に記事を配信した直後の同30日未明、藤田氏は自身のX(旧ツイッター)に、日曜版編集部への回答とともに、日曜版記者の名刺画像を掲載しました。
与党・維新の共同代表という権力を持つ立場の藤田氏が、自身に批判的な取材記者の名刺をネット上に公表することは、権力監視の報道を威嚇するものです。
名刺には社名、所属部署、氏名、電話番号、住所、メールアドレスなど特定の個人を識別できる情報が含まれています。
しかし藤田氏は、記者名や所属部署、公表されていない直通電話番号、ファクス番号などをそのまま掲載。記者のメールアドレスもごく一部を消して載せています。
名刺は、日曜版記者が衆院議員会館の藤田事務所を訪れ、政策秘書に質問状を渡した際に、身分を明かすために渡したもの。それを本人の了解もなく勝手にネット上に公表することは明確な目的外使用。プライバシーの侵害や、悪意のある第三者による悪用(嫌がらせなど)にもつながる重大問題です。
藤田氏が記者の名刺を公表して以降、日曜版編集部の直通番号に「●●記者を出せ」という電話が複数かかっています。
近畿地方の事業者の相談受付フォームから、藤田氏が一部を消して公表した記者のメールアカウントに1800件超(1日午後9時現在)の自動返信が送信され、正常な業務が妨害される事態も起きています。
3日午後5時現在、藤田氏のXには記者の名刺画像がそのまま掲載されており、日曜版編集部は、名刺画像の削除と掲載への謝罪を求めるものです。








